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「DXとは?注目されている理由とITとの違いについて解説」
DXとは
まず、DXとはどういう意味でしょうか。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、Digital Transfomationの略です。
企業がAI、4loT、ビッグデータ47などのデジタル技術を用いて、業務フローや新たなビジネスモデルの創出だけではなく、レガシーシステムからの脱却や企業風土の変革を実現させることを意味します。
Transformationは「変容」という意味なので、DXを直訳すると「デジタルによる変容」となります。デジタル技術を用いることで、生活やビジネスがより良いものへと変容していくことをDXと言います。日本でも、こうしたDXの理解が深まってきています。
しかし、DXが及ぼすのは単なる「変革」ではなく、デジタル技術による破壊的な変革を意味する「デジタル・ディスラプション」
既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすものとされています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の定義
DXの定義とは、主に3つあるとされています。
先述の通りDXとは、Digital Transfomationの略語です。デジタル技術を用いることで、生活やビジネスが変容していくことをDXと言います。
「デジタルトランスフォーメーション」は、スウェーデンの大学教授であるエリック・ストルターマン氏が2004年に提唱した概念だとされています。
ストルターマンによれば、デジタルトランスフォーメーションは「ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」と定義されています。
次に「デジタルビジネストランフォーメーション」です。
こちらはマイケルウェイド氏らによって2010年代に提唱された概念です。デジタルビジネストランフォーメーションでは、「デジタル技術とデジタルビジネスモデルを用いて組織を変化させ、業績を改善すること」と定義しています。
こちらはデジタルフォーメーションと区別するために、デジタル「ビジネス」フォーメーションといいます。
最後は、2018年度に経済産業省が公表した定義です。
2018年に経済産業省が公表した定義には「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や会社のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と具体的に提唱されています。
DXが注目されている理由
今、DXが注目されているのは新型コロナウィルスの感染拡大の蔓延もあり、企業を取り巻く環境が急激に不安定化しました。
こういったビジネス環境や競争の前提条件が大きく変化する中で、競争を勝ち抜いていくためには、既存のサービスやビジネスモデルの延長線上にはない新たな変革が必要となってきます。
DXとIT化の違い
DXと混同されることが多いのが「IT化」です。
DXの持つ意味がIT化と比較することでより明確に理解できるのではないでしょうか。
まず、ITは「Information Technology」の略であり、コンピューターとネットワーク技術の総称です。
インターネットやデジタルテクノロジーの進化に伴い、「旧来のアナログな作業をデジタル化して便利にする」という意味合いでIT化という言葉が使われるようになりました。
IT化はDXの手段であり、DXはIT化の先にある目的であると考えられます。
明確な定義があるわけではありませんが、一般的にIT化、IT導入というと今ある業務プロセスは維持したまま、その「効率化」や「強化」の為にデジタル技術やデータを活用するというイメージがあるかと思います。
例えば、電話や手紙だった連絡手段が、メールやチャットツールなどに変わったのはその典型と言えるでしょう。連絡の是非自体は問われることなく、ツールを導入することによって効率化が図れたことになります。近年ではRPA(これまでは人間のみが対応可能と想定されていた作業、もしくは高度な作業を、人間に代わって実施できるAIなどを活用して代行する取り組み)やビックデータなど大きな可能性を秘めた技術が次々と登場していますが、既存のプロセスの効率化=IT活用にとどまるケースが少なくありません。
もちろん、IT化の目的が必ずDXである必要はありません。
今あるプロセスの効率化だけが目的であっても全く問題はありませんが、なぜITを活用したいかが明確でないと、単に新しい技術を使ってみることだけが目的となってしまい、利益を生まないIT活用になる可能性もあります。
これでは意味が無いですよね。
IT化は既存のプロセスの生産性を向上させるものです。何がどのように変化するのかわかりやすいのが特徴といえます。
それに対して、DXはプロセス自体を変化させ、企業成長を目指すものです。
単に「作業時間が減る」「作成プロセスを自動化する」などわかりやすい変化ではありません。「顧客との接客方法がデジタルを通じて根本的に運用が変わる」など、会社全体に関わるような根本的な変化や新たな価値を生み出していく活動と捉えられています。
これからの課題
DX推進の需要が高まる一方で、多くの企業が実際のビジネスモデルや組織の本格的な変革に至っておらず頭を悩ませています。
特に、ビジネスにデジタル技術をいかに迅速に活用できるかデジタル技術を活用する人材についての課題です。3つの観点からDX推進についての課題を解説します。
初めに「DX人材」についてですが、DX推進を進めていくうえでプロジェクトを担う人材の確保です。
DX推進を担う人材に求められるのは、デジタル領域に精通し、率先して事業を変革できるスキルを所持していることです。DXの実現には、チームや組織の育成も大切です。
また、DX推進を担う人材のスキル評価などマネジメント制度の整備が進んでいない企業がほとんどです。社内制度を見直し、DX人材が適切な評価を受けられる環境作りを構築していくことも人材確保においてポイントといえます。
次に「開発手法」です。DX推進を滞らせている理由として、老朽化したシステムがあげられます。長年運用してきたシステムは、複雑な状況になっていることがほとんどです。
DX推進はめまぐるしく変化する時代のニーズや環境に合わせて柔軟にビジネスモデルや開発要件を変化させていく必要があります。
激しい時代の変化や技術革新、ニーズの移り変わりに柔軟に対応できる開発手法や思考法を取り入れることがDX推進の成功には不可欠です。
しかし、こうした新しい手法の導入にハードルを感じ、DX推進が思うように進まない企業が多くあるのも現状です。
最後に、「組織」についてです。プロジェクトを進めるうえで社内の利害関係者の合意を得ることは不可欠ですが、DX推進には経営者層からのコミットが得られにくかったり、各部署間の連携が築きにくいことが問題となるケースも多々見受けられます。
旧来のレガシーシステム(過去の技術や仕組みで構築されているシステム)から脱却し、デジタル技術を活用した新たな業務フローやビジネスモデルへ移行するに際しては、経営層のコミットや十分な社内理解、各部署の協力関係が必要です。
まとめ
言葉の意味としてはDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「進化したデジタル技術を浸透させることで人々の生活をよりよいものへと変革する」というもので、ビジネス面では「企業が解決すべき必須の取り組み」といえます。
めまぐるしく変化する時代の流れに取り残されてしまうのか、テクノロジーの進歩とともに新たな時代へと進んでいくのか、多くの企業にとっての分岐点になる取り組みともいえるでしょう。社内の理解・協力を得たうえで一丸となって取り組んでいくことが大切といえるのではないでしょうか。
中川 里美(ナカガワ サトミ)
20歳の時にアメリカで出会った経営者に誘われてライターの道へ。 自分の事業と並行して趣味レベルでライター業に取り組んでいたが、 その後のリモートワークやネットビジネス業界の普及により、 ネット環境があれば、どこでも仕事ができるライター業の魅了を再認識する。 現在、リサイドのライターとして、記事を執筆中。 好きなことは、旅と美味しいものを食べること。 今年の目標であったバンジージャンプと滝行と富士登頂を達成し、来年の目標を思考中。