フリーランス
エンジニア
DX時代のエンジニアに求められるスキルとは?
ここ数年で頻繁にメディア等で取り上げられる「DX(デジタルトランスフォーメーション)」。
名前こそ聞いたことはあるけど、実態がどういうものなのかイメージが付きづらい方もいるのではないでしょうか?
今回はDXの基本を押さえたうえで、DX時代に必要とされるエンジニアのスキルについて解説します。
DXとは
あらためてDX(デジタルトランスフォーメンション)とは、「デジタル技術を用いた業務の改革・変革」という意味で使われます。
明確な定義は決まっていないですが、ビジネスシーンで「DX」と言われたら上記の理解で問題ないかと思います。
もともとは、デジタル(digital)の「D」と、変化(trance)の省略表現である「X」を組み合わせて造られた言葉ですね。
ここ数年の急速なテクノロジーの進化によって、日本政府も2018年に「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」という名のガイドラインを定めています。
私たちの暮らしで例を挙げると、ここ数年で明らかに現金決済からキャッシュレス(=デジタル)決済に時代が進んでいるのを感じますよね。
それに加え昨年から流行した新型コロナウイルスの影響で、業務や娯楽のオンライン化が加速度的に進みました。
このようにDXはどの業界においても推し進められていることがわかります。
企業がDXに取り組むメリット
続いてDXに取り組むメリットについて解説します。
● 業務の生産性向上する
● 働き方改革になり得る
● レガシーシステムからの脱却
順に解説します。
業務の生産性が向上する
PCで行っていた単純作業をシステム化することによって、人間が行っていた作業が自動化されることで生産性が向上します。
生産性の向上はそのままコスト削減にも繋がります。具体的には管理コストの削減や人件費の削減などです。
実際私もRPA(ロボティックプロセスオートメーション)を用いて企業のDX化を進めた経験がありますが、
導入したとき現場の方が「RPA導入でここまで変わるのか」と非常に驚かれていたことを覚えています。
単純作業をシステムに任せ、人間が本来やるべきだったクリエイティブな作業に集中できる。
1つのシステム導入(DX)が、どれだけ企業に大きな影響を与えるのかを肌で感じました。
働き方改革になり得る
DX化が進めば働き方が変わります。
先ほど書いた通り、システム1つを導入するだけでそれに関わる人の業務が大きく変わるのです。
働き方に大きく影響するシステムを導入することによって、
リモートワークができるようになったり、違う仕事に取り組めるようになったりと可能性は大きく広がります。
レガシーシステムからの脱却
大手銀行の勘定系システムなどの基幹システムはレガシーシステム化しやすいです。
老朽化したシステムはさまざまな問題を抱えています。
● 最新のIT技術を取り入れることができない
● 属人化しやすくノウハウが継承され辛い
● システム維持費が高額になりやすい
「2025年の壁」と呼ばれているのですが、こういったレガシーシステムからの脱却ができず、DXが進まなかった場合、
国際競争で遅れをとり最大12兆円もの経済損失が生じると言われています。
ですから企業としては今のうちにDXを推し進めることで、既存のレガシーシステムから脱却し競争力を高めることができます。
DX時代に求められるエンジニアのスキルとは?
続いて、DX時代に求められるエンジニアのスキルについて解説します。
● 最新技術に対応できる柔軟性
● 経営側など技術以外の視点
● クラウドサービスへの理解
順に解説します。
最新技術に対応できる柔軟性
DXを進める企業は業務の改革を目指しています。そのためには最新技術を使ってシステムを構築することもざらにあります。
● IoT
● AI
● 5G
などといった新しい技術に対しても、抵抗なく取り組めるかどうかが大切です。
ITの世界は非常に広く・深く終わりがありません。すべてを理解する前に新しい技術が次々に生まれてくる世界です。
この業界で働くということは、すなわちずっと勉強し続けるということです。
それはDXの時代も変わらないでしょう。
新しく出てくる技術に柔軟に対応し、
フラットな目線で「何を求められているか?そのために必要なアプローチは何か?」を見定める力が必要となります。
少し大変に感じますが、それができるようになると自分の市場価値はどんどん上がっていきます。
社会から必要とされる人材であり続けたいですね。
経営側など技術者以外の視点
DXはその企業全体に関わる案件になります。システム要件を決定する際には経営戦略やビジネスモデル等を理解したうえで進めていきます。
その上で技術的に実現可能な仕様に落とし込んでいくのが私たちの仕事です。
会社として実現させたい事への理解度が不足していると、お互いの要求がかみ合わずに話が前進しづらく満足度が下がってしまいます。
そういった意味では、あえて書くほどでもなくコミュニケーション能力は必須で求められることになるでしょう。
PaaS型クラウドサービスへの理解
DXの時代はとくにクラウドサービス(とくにPaaS)の知識が求められると思います。
主なPaaS型のクラウドサービス
● AWS
● Azure
● GCP
DXは一大プロジェクトとして進めることは少ないと思います。ユーザー要件が固まっていない状態から始まることが多く、
そのため「小さく作ってリリースする」というアジャイル型の開発が多くなると予想されるからです。
中小企業や零細企業もDXを取り組むことになるので、コスト面から見てもクラウドサービスの需要は今後ますます高まっていくでしょう。
余談ですが、
先ほど挙げたPaaS型のクラウドサービスは、DX時代に限らず最低でもどれか1つ(シェア率でみるならAWS)は押さえておいた方が良いです。
オンプレミスのみの開発経験だと、これからの時代は市場価値が上がり辛くなる可能性があるからです。
まとめ
いかがでしたか?
本記事ではDXの基本とメリットなどについて解説しました。
企業がDXに取り組むメリット
● 業務の生産性が向上する
● 働き方改革になり得る
● レガシーシステムからの脱却
DXの時代に求められるエンジニアのスキルとは?
● 最新技術に対応できる柔軟性
● 経営側など技術以外の視点
● クラウドサービスへの理解
企業にとってのDXは改革となりますが、
エンジニアにとってのDXは、一層に自分自身の市場価値を上げる大きなチャンスです。
変化する時代に求められる人材であるため、幅広い知識を身に付けていきたいですね。
Souta
Web系エンジニアとして活動。共同で開発した音声型ナレッジ共有ツール「decci」を2021年9月β版ローンチ。弱小ブログ運営中。暇だったので当メディアのライターにもチャレンジ。人間の思考に興味関心がありそういう系の本を読むのが好き。