今、知っておきたい! 2022年話題のTXについてわかりやすく解説!

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昨今、ITトレンドとして話題に上がってきた「トータル・エクスペリエンス(TX)」
これは、2021年10月にガートナージャパン株式会社(本社:東京都港区、以下ガートナー社)が、デジタル・テクノロジを活用したビジネス変革においてトータル・エクスペリエンスとコンポーサブル・ビジネスが不可欠との見解を発表したことで、話題となりました。
 
本記事では、「トータル・エクスペリエンス(TX)とは何か」といった基礎知識から、TXを向上させるためのポイント、TXへの取り組みで得られる効果までをわかりやすく解説します。

トータルエクスペリエンス(TX)とは

トータルエクスペリエンス(Total Experience: TX)とはカスタマーエクスペリエンス(CX)、エンプロイーエクスペリエンス(EX)、ユーザーエクスペリエンス(UX)、マルチエクスペリエンス(MX)の4つを融合して体験し、総合的に向上させるというビジネス戦略です。
 
トータル・エクスペリエンスを理解する前に、CX・EX・UX・MXがそれぞれの意味について解説します。

カスタマー・エクスペリエンス Customer Experience

カスタマー・エクスペリエンスは直訳すると「顧客体験」です。
 
顧客満足度とほぼ同じ意味として捉えられますが、ここで言う「満足度」とは、購入前の接客から商品問い合せ、使用感、購入後のアフターサービスなどを総合的に評価したものことを指します。
 
例えば、あなたがランチに「ラーメンを食べる」ことを想像してください。
 
まず、インターネットやSNS、知り合いの口コミなどでお店を探し、お店へ行って店構えや店内の雰囲気を見て、店員さんの接客を受けます。
 
そして、注文したラーメンを食べて、スープの味や麺の茹で具合、チャーシューの味などを感じ取ります。
 
ここで重要なのは、私たち消費者はすべてのプロセスでお店の「評価」を行っているということです。
 
ラーメンがとてもおいしかったとしても、店員さんの接客が態度が悪かったり、お店が汚なかったり、注文方法がわかりにくいなどといった、顧客体験に1つでも欠点があれば、ネガティヴな印象を受けるでしょう。

ユーザー・エクスペリエンス User Experience

ユーザーエクスペリエンス (UX) とは、「ユーザーが商品やサービスを利用する際の体験」のことです。
 
カスタマー・エクスペリエス (CX) と混同されがちですが、サービスを利用する人のあらゆる体験に着目するCXに対し、UXは商品やサービスそのものへの満足度を評価するための概念です。
「購買行動におけるUXを積み重ねたものがCXになる」と考えておくとわかりやすいでしょう。
UXはCXを構成する要素の1つとして定義されます。
 
簡単に言うと「ユーザーが商品・サービスそのものに触れた時の評価」ということになります。

エンプロイー・クスペリエンス Employee Experience

エンプロイー・エクスペリエンス (EX) とは、直訳すると「従業員体験」です。
 
給料や福利厚生、職場の環境、人間関係などの職場で得られる体験すべてを指します。
CXは顧客の満足度に焦点を当てているのに対し、EXは従業員の満足度に焦点が当てられています。
 
職場環境が劣悪であれば、接客やサービスが低下や従業員ストレスが高くなり、離職率の増加につながってしまいます。
 
 
具体的には労働環境・職場の人間関係・給与や手当などの待遇・昇進機会・キャリア形成といった、「仕事」のあらゆる側面が含まれます。
 
 
給料や福利厚生、職場の環境、人間関係など職場で得られる体験全てを指し、EXを高めることは企業にとってプラスの効果があるとされています。特に、従業員の満足度は企業の生産性に直結するとされているため、積極的に働きかけることが重要でしょう。
 
CXが顧客に焦点を当てた概念である一方、EXはその体験を生み出す企業の従業員に向けられたものです。
 
職場環境が劣悪であればパフォーマンスは落ちますし、会社への愛着が湧かず離職率も高くなり、企業の業績に大きく影響します。
 
反対に従業員の満足度が高ければ、みんながイキイキと前向きに働ける環境になり、離職率も下がり、業績のアップを目指せるでしょう。
 
お客さまの体験や利益だけに焦点を当てるのではなく、従業員の満足度を大切にすることで、成長できる企業経営が実現できるのです。

マルチ・エクスペリエンス  Multi Experience

マルチ・エクスペリエンス(MX:Multi-Experience)とは、「さまざまな知覚やアプリ、デバイス、テクノロジーなどを通して、現実世界では経験できないような体験をすること」です。
 
これだけ聞くと少しイメージしにくいかもしれませんが、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を活用した体験、あらゆるデバイスをインターネットに繋いで操作するIoTなどがMXに含まれます。
 
具体的な例としては、ECサイトなどで流行し始めている「バーチャルフィッティング」などが挙げられます。
バーチャルフィッティングとは、オンラインで実際に店頭に行くことなく服の試着ができるサービスです。デバイスを使用することで、その場で服を着ているかのような感覚を味わえます。
その他には、スマートフォンのカメラを通して自宅に家具を配置するシミュレーションをしたり、百貨店業界などで運営されているバーチャル店舗などがあります。
 
まだまだ取り組んでいる企業は少ないですが、オフラインで接点を持つことは以前と比べると少なくなっており、オンラインを通じて得られる体験は重要視されています。
5Gの普及によりMXもほかの要素と同じくらい重要になっていくでしょう。

結局、トータル・エクスペリエンスってどういうこと?

本題までが長くなってしまいましたが、トータル・エクスペリエンス(TX)とは、「企業に関わるすべての人々が利益を得られるように、多方面からの視点を持って取り組みを行うことで、企業の成長につなげる」というビジネス戦略です。

トータル・エクスペリエンスが重要視される理由

近年、TXが重要視されるようになってきた背景には、「少子高齢化による時代の変化」が大きく関わっています。
企業の成長のためには、生産性の向上が必要不可欠です。しかし、少子高齢化が進む日本では、労働人口の減少による人手不足が大きな問題となっており、生産性の低下が懸念されます。
労働者が飽和状態にあった高度経済成長期の頃の日本社会では、「お客様は神様」という表現からもわかるように、お客様満足度(CXやUX)が最も重要視され、従業員の満足度(EX)は軽んじられていました。しかし、労働人口が減少の一途をたどる現代では、そのような考え方を続けている企業の従業員はモチベーションが低下し、仕事を退職する人が増えます。企業は人手不足を補充するために求人をかけます。しかし、労働人口が減少しているため、簡単には働き手は見つからず、残った従業員は長時間労働を強いられ、退職者が増え、さらなる生産性の低下につながるという悪循環をもたらします。
労働人口が減少の一途をたどる中、生産性を上げて企業が成長するためには、顧客満足度だけでなく、従業員の満足度をアップさせる、EXの視点を持つことも重要となってくるのです。
さらに、従業員ひとりひとりの生産性を上げるために、非効率な業務への取り組みを見直すことはもちろん、積極的にデジタル・テクノロジーを活用(MX)し、業務の効率化を図っていくことも重要となるのです。
 
「エクスペリエンス」のような目に見えにくいものを付加価値として捉え、時代の変化に対応し、新型コロナウイルスなどの不測の事態にも柔軟に対応できる企業こそが、これからの変化の激しい状況下で勝ち抜いていける企業といえるでしょう。

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中川 里美(ナカガワ サトミ)

中川 里美(ナカガワ サトミ)

20歳の時にアメリカで出会った経営者に誘われてライターの道へ。 自分の事業と並行して趣味レベルでライター業に取り組んでいたが、 その後のリモートワークやネットビジネス業界の普及により、 ネット環境があれば、どこでも仕事ができるライター業の魅了を再認識する。 現在、リサイドのライターとして、記事を執筆中。 好きなことは、旅と美味しいものを食べること。 今年の目標であったバンジージャンプと滝行と富士登頂を達成し、来年の目標を思考中。