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Flutterって実際どうなの!?メリット・デメリット、導入事例も一挙公開!
今回は、2018年12月にGoogleが発表したモバイルアプリ専用のフレームワークである、flutterをご紹介します。
目次
- flutterとは
- Dart言語
- React Native(リアクトネイティブ)
- メリット
- ① JavaScriptにコードが似ていて取得しやすい
- ② ホットリロード機能が備わっている
- ③ フリーかつオープンソースであること
- ④ UIデザインをプラットフォームに依存することなく使用可能
- ⑤ iOS、AndroidなどOSを気にすることなく一気に開発が可能
- デメリット
- ① 全てのOSに対応していない場合もある。
- ② 更新への時間が必要
- ③ 日本語対応していない場合がある
- 開発可能なアプリ
- 開発事例
- ① じゃらん
- ② Green
- ③ ほぼ日學校
- ④ kubota diagnostics(クボタ ダイアグノスティックス)
- ⑤ トヨタコネクティッド
- まとめ
flutterとは
FlutterとはGoogleによって開発されたフリーかつ、オープンソースのUI(ユーザーインターフェース)ソフトウェア開発キットです。
通常、モバイルアプリ開発を行う際、Androidアプリ開発の場合は「Kotlin」、iOSアプリ開発の場合は「Swift」をそれぞれ使用する「ネイティブアプリ」が一般的ですが、flutterの場合、一度の開発工程であらゆるOSが対応可能となる「クロスプラットフォーム(別名:マルチプラットフォーム)」であることから、開発期間やコストを削減が可能となる点が注目されています。
Dart言語
まずはflutterで重要な役割を持つDartについて説明します。
Dartは2011年にGoogleが設計したプログラミング言語です。
Dartが注目される理由の一つとして、広く一般的に使われているプログラミング言語であるJavaScriptに似ていて、扱いやすい言語であることが挙げられます。
JavaScriptは、モバイルアプリケーションをはじめ、Webアプリケーション、サーバーサイドアプリケーション、デスクトップ開発に適応した、世界的に人気の高いプログラミング言語です。
そんなJavaScript を大替したDartは、JavaScriptよりさらにセキュリティ面が強化されたことや大規模な開発にも対応するなど、JavaScriptの問題点を改善し、開発されたことでJavaScriptに代わるプログラミング言語として注目されています。
React Native(リアクトネイティブ)
ここではflutterと度々比較されるReact Nativeについても説明しておきましょう。React Nativeはfacebookが開発を手がけたオープンソース型のモバイルアプリケーションフレームワークです。
React Nativeはflutterと開発環境が似ていることから、flutterに携わる人は耳にしたことがあるかもしれません。
理由の一つに、React NativeはJavaScript を開発言語とし、flutterと同様にiOS・Android問わず、実装可能であることが挙げられます。
開発アプリにはfacebookやUberEatsなど、日本でも広く普及しているアプリがあります。
ここで細かな違いは明記しませんが、実際に実働してみた違いなど、気になる人は調べてみると良いでしょう。
メリット
ここからはflutterを使用することでのメリットをお伝えします。
① JavaScriptにコードが似ていて取得しやすい
先ほどもお伝えした通り、flutterのプログラミング言語にはDartを使用しています。Dartは世界的に人気の高いJavaScriptをベースに開発されており、JavaScriptよりもコードが簡単なことから、Dartをはじめて使用してプログラミングを行う際に取得しやすいというメリットが挙げられます。
② ホットリロード機能が備わっている
Flutterにはプログラムの変更を瞬時に行う「ホットリロード」機能が備わっています。この機能によりJavaScript を用いた場合、時間がかかっていた確認作業がDartを用いたflutterなら、瞬時に行うことができるというメリットが挙げられます。
これにより、大幅な開発時間の短縮に繋がることが注目されています。
③ フリーかつオープンソースであること
Flutterはフリーかつオープンソースであるため、誰もが無料で使用することが可能です。
通常、開発には時間と費用がかかることが問題視されがちですが、こちらのflutterなら問題を一気に解決することができるので、開発側としては大きなメリットと言えます。
④ UIデザインをプラットフォームに依存することなく使用可能
FlutterはGoogleが提唱した「マテリアルデザイン」を採用していることから、ユーザーはスマートフォンやタブレットなどのデバイスを使用する際、デバイスが変わったとしても、統一感のあるデザイン上で、ストレスなく操作することが可能です。
⑤ iOS、AndroidなどOSを気にすることなく一気に開発が可能
最後にご紹介するメリットがflutterを活用する最大のメリットと言えるでしょう。通常、モバイルアプリを開発する際、OSごとに専門のアプリを開発する必要がありますが、flutterを活用すれば、そういった手間が省けるため、開発時間や費用の大幅な削減が期待されています。
デメリット
ここからはflutterのデメリットもご紹介します。
① 全てのOSに対応していない場合もある。
これまでflutterは、ほとんどのOSに対応しているとお伝えしてきましたが、例外もあります。
iOSやAndroid特有の機能を利用する場合や、複雑な仕様を必要とするアプリ開発の場合は、一貫して開発することが難しいのが現状です。
② 更新への時間が必要
アプリは最近の機能が搭載された場合など、頻繁に更新されます。Flutterの場合、アプリはリリース後の対応となるため、多少の時間が必要となります。
③ 日本語対応していない場合がある
これはリリースから日が浅い”フレームワークあるある”ですが、日本語で書かれた情報サイトが少ないという問題があります。開発途中、何かしらのトラブルに見舞われた場合でも日本語対応した情報サイトが少ないことから、英語の情報サイトから解決策を探さなければなりません。
開発可能なアプリ
Flutterを使って開発することのできるアプリは以下のようなものがあります。
・地図アプリ
・業務アプリ
・キャッシュレス決済アプリ
・画像編集アプリ
・ライブ配信アプリ
・ショッピングアプリ
開発事例
ここからはflutterを活用して開発されたモバイルアプリをご紹介します。
① じゃらん
リクルートライフスタイルが発行している日本で一番有名な旅行専門雑誌といえば、「じゃらん」
紙媒体に加えてネットから予約を取ることが主流となっていますが、旅先のホテルや宿の予約にさらに便利でおすすめなのが、モバイルアプリ。
以前はiOSとAndroid両方分けて開発されていましたが、度重なるバグと開発工程の煩雑さから今回はflutterを使ったアプリ開発が実行され、話題となりました。
② Green
株式会社アトラエにより開発されたITやweb業界専門の転職サイトといえば「Green」
求人数は約15,000件、登録者数は590,000人、直接オファー数は月に560,000件というメガ求人サイトです。
またITやwebに特化していることから、登録者の約6割がデザイナーやエンジニアというのも特徴です。
Android版アプリを開発する際にflutterのクロスプラットフォームが注目され、開発されました。
③ ほぼ日學校
コピーライターである糸井重里氏が代表を務める株式会社「ほぼ日」は、様々なコンテンツを企画・編集・制作・販売している企業です。そんな株式会社ほぼ日が開発を手がけた「ほぼ日學校」は動画コンテンツサービスを提供するサイトですが、より幅広いユーザーを獲得することを目的にflutterを活用したモバイルアプリ開発が進められました。
④ kubota diagnostics(クボタ ダイアグノスティックス)
株式会社クボタといえば、世界を代表する産業機械、建設材料、鉄管、産業用ディーゼルエンジンのメーカー。そんな世界に誇るクボタが開発したのが、販売代理店のサービスエンジニア向けに提供する3Dモデル・ARを活用した故障診断アプリ「kubota diagnostics(クボタ ダイアグノスティックス)」
このアプリを開発したことにより、瞬時に故障箇所を探し出し、自動的に点検箇所や修理箇所が表示されるようになりました。
⑤ トヨタコネクティッド
世界最大級の自動車メーカーであるトヨタの合弁会社「トヨタコネクティッド株式会社」はトヨタのコネクティッド分野における戦略事業を主な業務としている会社です。
そんな「トヨタコネクティッド」がflutterをモバイルアプリ開発に導入した理由の一つが、コックピットのUX/UIをリッチ、クイックに開発できるため。 メリットの4番目に説明した「UIデザインをプラットフォームに依存することなく使用可能」という点で、デバイスが変わってもユーザーが違和感なく使用できる点が導入を決めた理由のようです。
まとめ
今回は、2018年12月にGoogleが発表したモバイルアプリ専用のフレームワークである、flutterをご紹介しました。
Fltterは一度の開発工程であらゆるOSが対応可能となる「クロスプラットフォーム(別名:マルチプラットフォーム)」である点が最大の特徴です。
コストや利便性を考えた上でも、今後もさらに人気が高まると言えるでしょうす。
今後のflutterに注目です。
中川 里美(ナカガワ サトミ)
20歳の時にアメリカで出会った経営者に誘われてライターの道へ。 自分の事業と並行して趣味レベルでライター業に取り組んでいたが、 その後のリモートワークやネットビジネス業界の普及により、 ネット環境があれば、どこでも仕事ができるライター業の魅了を再認識する。 現在、リサイドのライターとして、記事を執筆中。 好きなことは、旅と美味しいものを食べること。 今年の目標であったバンジージャンプと滝行と富士登頂を達成し、来年の目標を思考中。