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Rakuten Rapid APIのご紹介
何かしらのアプリケーションを作る際、必要な機能をすべて自作することは稀かと思います。
開発者はほかの開発者が作成したライブラリやAPIを活用し、アプリケーションのユニークな部分にリソースを割くことで、日々の工数を削減したり完成度を高めたりしています。
そんな開発者にとって大きな手助けとなるのがAPIマーケットプレイスです。
今回は楽天市場や楽天証券など、さまざまなWebサービスを手がける楽天グループが、開発者に向けて展開しているRakuten Rapid APIをご紹介します。
どんなサービス?
大別すると以下の機能を持っています。
自作のAPIを公開する
作ったAPIをほかの開発者が利用できるようにRakuten Rapid API上に公開できます。
無料か有料、または一定の使用量までは無料で使用可能なフリーミアムAPIとして公開できます。
有料、またはフリーミアムで公開した場合は、ほかの開発者の使用量に応じて報酬を得ることができるので、APIによってはマネタイズが可能です。
公開されているAPIを利用する
ほかの開発者が作ったAPIの検索・利用できます。
前項にあるように、APIが有料の場合やフリーミアムの場合はクレジットカードの登録が必要になります。
Rakuten Rapid API上で公開されているAPIはブラウザ上でテストできるので、気になるAPIを見つけたらすぐに試すことができます。
実際に使ってみる
それでは、実際に使用するまでの流れをご紹介していきましょう。
ユーザー登録
ユーザー登録はGitHubアカウント、Googleアカウント、Rakuten Rapid APIのユニークアカウントのいずれかで行うことができます。
楽天のサービスというと楽天IDで登録するイメージが強いのですが、やはり開発者向けのサービスはそれとは別の枠として考えられているようです。
今回はGitHubアカウントと連携して使用することにしました。
2021年6月現在では、GitHubのリポジトリと連携して——というような機能はないようですが、いずれ実装されるとうれしいですね。
APIの検索
フリーワード検索のほか、カテゴリで絞り込むこともできます。
検索結果にはユーザーの人気度によるレーティング、応答時間、平均稼働率が表示されています。
アプリケーションによっては応答時間や安定稼働をシビアに求められるものもあるので、機能や人気度以外の指標が見られるのはとても良いですね。
支払い方法の設定
今回はテキストの感情分析を行うText-ProcessingというAPIを使ってみることにしました。このAPIはフリーミアムに設定されているので、無料利用枠を超えた際に利用料金が発生します。
したがって、使用する前に料金支払いに使用されるクレジットカードの登録が必要です。
余談ですが、楽天カードでの支払いにしようとしたところ、なぜかエラーが発生してしまい進めなくなってしまいました。別のカード情報を入力したところ正常に登録できたので、一部のカードでは認証が通らない不具合が発生しているのかもしれません。
ブラウザ上でテストしてみる
それでは実際に使ってみましょう。
今回はアメリカ映画の名セリフベスト100から、筆者の敬愛するクリント・イーストウッド氏演じるハリー・キャラハンの名台詞である
You've got to ask yourself one question:'Do I feel lucky?'Well, do ya, punk?
を分析し、ダーティ・ハリーの気持ちを理解してみます。
ややネガティブよりな結果が得られました。
このセリフは犯人に44マグナムを突きつけているシーンでの発言なので、ここでポジティブ過ぎる結果が出るのはいただけません。
そう考えると、ある意味妥当と言えます。
もうひとつ、今度は地獄の黙示録からビル・キルゴア中佐が放った名台詞
I love the smell of napalm in the morning.
をテストしてみましょう。日本語に訳すと「朝のナパーム(弾)の香りは格別だ」というところですね。
ラベルはneutralになっていますが、pos値も大分高いです。
いくらなんでも朝のナパーム弾の香りで気分が高揚するというのはいかがなものかと思うので、
napalmをcoffeeに変えて試してみます。
pos値が下がってしまいました。
どうやらキルゴア大佐はコーヒーよりナパーム弾の方がお好みのようです。
まとめ
今回は使用したAPIに問題があったのか、若干疑問の残る形での実験になってしまいました。
ですが、Rakuten Rapid APIには、ほかにも1万を超えるAPIが登録されているので、きっと開発者のみなさんのお気に召すものがあるはずです。
自作のアプリを作る際のヒントにもなると思うので、ぜひ一度使ってみてください。
Takumi.K
サービス開発にも携わるフリーランスフロントエンドエンジニア。