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フリーランスはiDeCoを始めるべき?知っておきたいiDeCoのコト
みなさんはiDeCo(個人型確定拠出年金)という制度をご存じでしょうか?
iDeCoは老後に向けて今から年金を積み立てておける制度です。
年金受給額が減り続けている中で、さらにフリーランスだと厚生年金を受け取ることができません。
ですから老後に不安を持っているフリーランスの方は知っておいて損はない金融商品だと思います。
今回はiDeCoについての説明と、メリット・デメリットなどをご紹介します。
iDeCo(イデコ)とは
改めてiDeCoの説明を簡単にします。簡単に言えば「個人で毎月の掛金を積立て、個人で年金を作っていく」ことを国がサポートする制度です。
とくにフリーランスの場合だと会社員の方と違って厚生年金を受け取ることができないので、こういった自分で年金を作っていく制度が注目されています。
iDeCoを使うと自分が選んだ金融商品で資産運用を行い、老後資金を作っていくことができます。
そしてiDeCoの強みは何よりも「節税」のメリットを受けられることです。
後に解説しますがiDeCoだと、掛金が全額所得控除になるほか、運用益も非課税になるという強力な節税メリットがついてきます。
その一方、iDeCoも資産運用の一種なので、当然元本割れのリスクがあります。
加えて、60歳まで原則受け取り不可という流動性の低さがデメリットとなる場合があります。
iDeCoのメリット
運用益は非課税
通常株式などの金融商品を売買したときは譲渡所得20.315%かかります。
上場株式等に係る譲渡所得等(譲渡益)20%(所得税15%、住民税5%)
一般株式等に係る譲渡所得等(譲渡益)20%(所得税15%、住民税5%)
(注) 平成25年から令和19年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額に2.1%を乗じた額を所得税と併せて申告・納付することになります。
引用元:No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)|国税庁
しかし、iDeCoなら上記の税金が非課税になるという大きなメリットがあります。
また支給時に発生する税金でも節税効果があるため、iDeCoを利用する最大のメリットは税制面であることがわかります。
掛金は全額所得控除となる
iDeCoを利用して積立てた掛金は全額所得控除となります。
ここで、所得税の計算方法を簡単におさらいしましょう。
収入 - 経費 - 控除 = 課税所得額(これに所得税率を乗算して所得税が確定する)
つまりiDeCoの掛金が所得控除になるということは所得税、住民税の節税対策にも効果を発揮するということです。
「フリーランスとして軌道に乗ったはいいけど、毎年の税金の支払いがしんどい…」と思っている方には嬉しい情報ですね。
先ほど言ったように運用益が非課税になるだけでなく、毎年の税金まで安くしてくれるなんてiDeCo素晴らしい!という声が聞こえてきそうです。
稼いでるけど貯金が苦手な人にピッタ
「平均以上稼いでいるのになぜかお金がたまらない…」という不思議な現象が起きている方には大きな味方です。(笑)
なぜならiDeCoは原則60歳まで途中の引き出しが不可だからです。なので欲に負けて途中で引き出してしまうリスクがありません。
やはり年金が少ないフリーランスには、iDeCoは老後の大きな味方となりえますね。
iDeCoのデメリット
ここまでメリットを聞くと「iDeCoはなんて素晴らしい制度なんだ!」と思うかもしれません。
しかしお金がまつわる話にはメリットがあれば必ずデメリットがあるものです。もちろんiDeCoにもデメリットはあります。
元本割れのリスクがある
当然ながら、iDeCoにも元本割れのリスクはあります。もちろんどういった金融商品を選ぶか次第ではありますが。
iDeCoもれっきとした資産運用なので、「年金」とは言いますが「元本を保証します」とは言われていません。
資産運用と資産保全は性質が異なります。読んで字のごとくですが「保全」は守るため、「運用」は増やすためです。
ですからiDeCoがあるからもう老後の心配は必要ない!と思うのはややリスクがあるかと思います。
原則60歳まで受け取り不可
「原則」と書いた通り途中での受取りも不可能ではないですが、ほぼ無理だと思っておきましょう。
お金が必要となった時にすぐ引き出せないので、「自分の貯金すべてをiDeCoに突っ込む!」なんてことは絶対にオススメしません。
このようにiDeCoは資金拘束力が強く、流動性が低いことが特徴です。
もっとも流動性が低いという点は人によって必ずしもデメリットとは限らないです。
たとえば貯金が苦手な人なら、ある程度強制力が働いていた方が気持ちの面で楽になることもあるでしょう。
しかし今30歳の人であれば、今想定できないまとまった出費が訪れることも珍しくないでしょう。
「どうしてもすぐお金が欲しい!」という時にiDeCoのせいでお金が用意できない。という事態は避けたいですよね。
このようにすべてはバランスが重要です。ハイリスクを望めばハイリターンがつきものです。 流動性が低いことによるデメリットをしっかり押さえておきましょう。
手数料がかかる
運用益は非課税と先ほどご紹介しましたが、その代わりに手数料が発生します。
加入・移換時手数料(初回1回のみ):2,829円
加入者手数料(掛金納付の都度):105円
その他、証券会社に支払う手数料や信託報酬もあります。詳細はこちら
こうしてみると非課税とはいえ、手数料で意外と持っていかれるな…ということがわかります。
もっとも証券会社に払う手数料や信託報酬はiDeCo以外の金融商品でも発生する事なので、iDeCoだけのデメリットではありません。
iDeCoに向いている人・向いていない人
続いて、iDeCoに向いている人・向いていない人を解説します。
あくまで私個人が思う向き・不向きの話なので、絶対ではないということはご了承ください。
iDeCoに向いている人
● 老後に不安を持っているフリーランスの方など
● 生活防衛資金がある程度あり今後もさらに貯蓄が増えそうだという
● 資産運用で節税のメリットを受けたい
● 60歳まで引出し不可という流動性の低さを受け入れられる
iDeCoに向いていない人
● 生活防衛資金の準備がまだできていない
● 60歳より前に資産運用からの収益を得たい
● 今後まとまった出費が想定され、流動性の低さがネックと捉えている
まとめ
いかがでしたか?今回はiDeCoについての解説をしました。
「iDeCoは非課税だからすぐ始めよう!」といった謳い文句にごまかされず、しっかりメリット・デメリットを把握したうえで判断しましょう。
Souta
Web系エンジニアとして活動。共同で開発した音声型ナレッジ共有ツール「decci」を2021年9月β版ローンチ。弱小ブログ運営中。暇だったので当メディアのライターにもチャレンジ。人間の思考に興味関心がありそういう系の本を読むのが好き。