リーダー・メンバー双方の立場から見た、テレワークで成果を上げるエンジニアの特徴

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コロナ禍において急速に普及したテレワーク。今の現場でテレワークが始まったが、うまくいっていない、これから初めてテレワークをすることになったが不安、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。私自身、第1回目の緊急事態宣言が発令された2020年4月より、システム開発プロジェクトの1メンバーとして、初めてテレワークで作業することになりました。

現在はリーダーとしてテレワークのフリーランスエンジニアを含むメンバーに指示する立場で働いているのですが、リーダー・メンバー双方の経験からテレワークの中で成果を上げるフリーランスエンジニアの特徴について気付いたことがあるので、それについてお話ししていきます。

テレワークで求められるフリーランスエンジニアのスキル

さて、テレワーク下に限らず、信頼される優秀なフリーランスエンジニアとはどういう人物でしょうか。すべてを定義するのは難しいですが、ぱっと思いつく限りでも以下があげられます。

・技術に深い造詣があり、周りをサポートしてくれる
・合意した期日を守り、危うくなったら報告する
・期日までに適切な途中報告がある

これはフリーランスエンジニアに限った話でも、テレワークに限った話でもなく、全ビジネスマン共通かもしれません。長年の経験が蓄積されて、第一線で活躍し続けているフリーランスエンジニアは大抵これができており、出社かテレワークかで個人の生産性が大きく落ちるようなことはありません。

一方で出社時は頑張っていたのに、テレワークでは活躍できていない、という方もいます。社会人2年程度といった経験の浅い方がこのような状況に陥りやすいのではないでしょうか。

これは元々単独での遂行が難しい作業でも、出社時は必要に応じて周りのサポートを受けられていたのが、テレワークになって気軽に聞けなくなり、手が止まる時間が増えてしまった、というのが原因です。テレワークではどうしても周りの状況が見えにくいため、順調に進んでいるか問題があるのかは、黙っていると誰にも伝わりません。やはりテレワークで成果を上げられるのは、技術的にも、社会人の働き方としても、自立・自律ができる方であり、他人からのサポートが前提で、働き方も受け身な態度では難しい、ということになります。

とはいえ、自分ではテレワークはまだ早いと思っていても、昨今の社会情勢下では望む・望まないに関わらず、突然テレワークが始まるということもあり得ます。そんなときのために、私がテレワークを行った経験の中で、やっておいて良かったことについてお話しましょう。

テレワークでやっておいて良かったこと

作業環境を整える

ボード、マウス、リストレスト、ノートPCスタンド、タブレットスタンド、ヘッドセットは新調しました。

また自宅以外で作業を行う場合は、安定したネットワーク環境を整えることが重要です。
例として以下のような対策が考えられます。

  • 回線の混雑などを考慮しモバイルWiFiを2台持つ
  • 通信容量制限に備え通信量の多いプランに変更する
  • 移動中などでも対応できるようテレワークスポットを事前に調べておく

休憩をとる

自宅で作業を行う場合は、特にオンとオフの境目が曖昧になります。私自身も朝の定例ミーティングの直前に起床し、寝る直前までPCで作業を行っていることもありました。しかし、長時間効率を落とさずに集中し続けることは不可能であり、一時的にでも無理をすると、その後で疲れて効率が落ちますので、適切に休憩をはさむことはテレワークに限らず重要です。以下は私が実践していた休憩法ですが、仕事から完全に離れて気分転換になるものや、考え事はしながらも目や肩・腰は休められる方法がおすすめです。

  • 軽く運動をする
  • シャワーを浴びる
  • おやつを食べる


夜遅くまで長時間労働が必要になる際は、夕食も休憩として取りましょう。ただし、休憩ばかりで成果が上がっていないと本末転倒で周りからの信頼も失いますので、あくまで休憩も効率的に成果を上げるための手段であることは忘れないでください。

コミュニケーションツールの使い方を覚える

これは特に社会人としての経験が浅い方向けになります。ひとりでの業務遂行が難しい以上、周りからのサポートが必須になるので、これをスムーズに受けるための準備をします。作業の不明点は誰に聞けばいいのか、その際どうやって連絡するのか、自分が困っている状況を伝えるにはどうするのが効率的か、を想定します。

多くの場合、チャットやビデオ会議などのコミュニケーションツールを使いますので、TeamsやSlack、Zoomなど、その現場で使っているツールの使い方を調べ、特定のメンバーに連絡を取ったり、開発環境の画面を共有して説明したりということは、最低限できるようにしておきましょう。

リーダーがメンバーに求めるテレワークのスキル

さて、視点を変えてリーダーの立場からテレワークを考えます。リーダーの使命はチームの目標を明確にし、チームとして成果を上げることです。チームとしての目標を達成するために、各メンバーに作業を割り振っていますので、管理として着目すべきは「皆の成果が日々適切に上がってきているか」ということになります。

例えば、3人日の仕事をメンバーひとりに任せた場合に、(工数見積は正しいという前提で)2日でできればその方が優秀ですし、5日かかれば単純にスキルが足りないか、もしくはコミュニケーションなど別の課題があったかが考えられます。

最初の3日間さぼっていた、という可能性もあるのですが、これを疑ってPC付属のカメラを常にオンにさせる、各自のPCのログオン状態を取得する、などの監視を始めるのは私に言わせれば管理者側の怠慢です。3日でできる作業であれば、1日目、2日目の目標(マイルストン)を決めて途中経過を報告してもらえば監視する必要はありません。

私の場合、作業指示や進め方のすり合わせなど直接話した方がいい事柄は、ビデオ会議で行っていましたが、報告はひとりひとりから定例の場や個別に受けていると時間がかかるため、OneNoteなどのメンバー全員で共有するデジタルノートブックに書き込んで貰っていました。

作業の進め方がリーダーとメンバーで共有できていれば、報告はテキストで十分伝わります。つまり、リーダーの立場から各メンバーに求めるスキルは、事前にすり合わせた作業の進め方に沿って自身の成果を説明し、完了予定日はすり合わせ時の見通しから変更がないか、その他困っている課題はないかを言語化して発信することになります。

当たり前のことのようですが、皆が一カ所に集まっていれば表情などを見て声を掛けることもできますが、お互いの姿が見えず状況を察することができないテレワークでは、より効率的に自身の状況を伝えるスキルがより強く求められます。よく言われることですがフリーランスエンジニアの仕事はプログラミングだけではなく、会社には所属していなくとも複数人で仕事をする以上、「報告」も重要な仕事です。

まとめ

何かとコミュニケーションの難しさが注目されるテレワークですが、私はコミュニケーションはあくまで手段であり、成果をどう評価・達成するかが最も重要だと考えています。フリーランスエンジニアとしての働きぶりも、出社していれば真面目な勤務態度や献身的な長時間労働を「頑張っている」と評価されることもあったかもしれませんが、テレワーク下では成果で証明するしかありません。

そのためには毎日の作業時間に対して、この時間でこれをやり遂げた、という成果を胸をはって報告できるようにしておきましょう。その際、ひとりよがりの成果にならないために、作業の進め方をリーダーとすり合わせ、それに沿った形で報告を行うことを意識します。

東京都がテレワークマスターの認定制度を打ち出し、原則テレワークを掲げる会社も増える中で、ゴールドマンサックスのようにテレワークから従来の出社形式に戻す会社もあり、都市部の通勤ラッシュも改善されていません。テレワークの普及は未だ先行きが見えませんが、多様な働き方が認められる流れは止まることはないでしょう。自身にあった働き方を見つけるためにも、エンジニアファーストの案件情報からテレワーク案件を探してみるか、ページ内のチャットボットから登録・相談してみるのはいかがでしょうか。

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児玉亮

児玉亮

プラント建設業界のIT子会社でシステムエンジニアとして14年勤務後フリーランスとして独立。 PMO、要件定義から運用までシステム開発プロジェクトの幅広い工程で支援可能。 得意分野はBIやデータウェアハウスなどデータ分析基盤の構築。